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沿岸へ  11月23日   

海神が、人間の自然への畏怖を忘れたことを怒ったかのような、あの大津波から8か月余り。
新聞では、毎日「復興」の文字が躍るものの、現実を知らない我々家族。ことに、7歳と9歳の
息子たちは、行ったことのない場所故、「宮古」「釜石」などが、どこか遠くの異国にあるのでは
と思っている様子。同じクラスには、その地域から移り住んできた子たちも転校してきた、という
話もしている。このままでは、本当に同じ県内で起こったこと、車で行ける場所で起こったこと、
なんて夢にも思わなくなってしまう!と思い、勤労感謝のこの日、家族で沿岸に行ってきました。
ただし、被災者の皆さんには失礼ながら、子どもたちには「マグロ丼を食わせる」ことをエサに
連れ出しました。

朝7:30、コンビニおにぎりを車内で食べながら盛岡をスタート。南下してから向かうか、東へ
一直線に行くか、迷いつつもまずは遠野を抜けて行こうと、紫波町方面へ。冬枯れ、という言葉
がぴったりの沿道。十数年前に訪れた大迫・遠野。こんなところだったかなあ。。。というのが正直
なところ。そうこうしている内に、目の前には「仙人峠道路」の文字。昨年開通した自動車専用道路。
中間には4Km程のトンネルはあるものの、開通前の最難関「仙人トンネル」の険しさを考えると雲泥
の差。なんとも快適な山越えでした。山越えしたところで最初の休憩・釜石駅前のサンフィッシュ釜石
で小休止。新日鉄釜石を眼前にして、正直、ここが被災地だという感じは全くしませんでした。しかし、
北へ向かうため、市街地へ入った途端、風景は一変しました。
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ニュースで見た変貌した市街地が目の前に広がっていました。海に向かって手を合わせながら、何枚か
写真を撮りました。そこから北へ向かう海岸線から見た風景は、道路の左右で天と地程の差がありました。
わずかな傾斜により津波に襲われなかった建物は、何事もなかったかのように無事で、そのちょっと先の
海寄りの場所には何もない・・・・。
釜石から宮古へ向かう途中、最も被害の大きかった大槌の市街地へ立ち寄りました。本当に何事もない
かのような穏やかな海と、何もないまっさらな土地。そこかしこに見える「津波浸水想定区域」の看板。
沿岸へ  11月23日_b0010258_22592612.jpg


「解体OK」と書かれた建物。これらを見るにつけ、募金をしたり、災害ファンドに出資したり、沿岸の物を
買ったりとしていることが、本当にどれだけ役立つのだろうかと、絶望感というか無力感というかに襲われ
ました。本当に息の長い支援、そして現実を伝えることでしか、この思いは払しょくできないとも感じました。

最終目的地の宮古では、お目当ての魚菜市場は定休日というオチが付きましたが、駅前の食堂で、海の
幸を、しっかりとありがたく頂いてきました。
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その後、こんな所にもお邪魔してきました。ちょっと感動・・・・
沿岸へ  11月23日_b0010258_232518.jpg




子どもたちはというと、、、、何か明確な変化は見られませんでしたが、ショック症状もありませんでした。
心のどこかにでも残っていてくれれば、後から、どこかで何かの形で表れるのかな。。。その程度でいい
のか?とも思いましたが、行ったこと、見て来たことで良しとします。

by hityoujp | 2011-11-27 23:02 | 旅行

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